タンバリンに関するまとめ

タンバリンの種類は大きく分けて「鈴が一枚のもの、複数あるもの」「皮がついてるもの、ついてないもの」とに分類される。皮がないものをモンキータンバリンと呼ぶ。

基本的な奏法

手に持って叩く奏法が最も一般的。譜面(作曲者)や指揮者の指示、また曲中における利便性を考慮して、指・手のひら・ひざ・ももなどで叩く部位を変える。早いパッセージの連符を演奏する場合、S.Cym.のスタンドに取り付けスティック(もしくはマレット)で叩かれることもある。

ロール奏法

主に皮のあるタンバリンに対して使われる奏法。皮の上に親指を押し付けて円を描くように移動させ、この時の摩擦で発生する振動を利用してベル(鈴)を鳴らし続ける奏法。ロールに慣れないうちは、机の上で練習すると効果的である。また指が乾燥していると摩擦力が発生しないがために振動が起きない場合があるので、演奏する際に水に濡らしたハンカチを手元に用意するような工夫も必要である。

タンバリン考察

  • 指の本数を変える

タンバリンの音量に幅をつける工夫として基本的なものに、叩く指の本数を変えることが挙げられる。普段から何本で叩く時がピアノなのか、フォルテなのか、しっかりと自分の中で区別して練習しておくことが大切。

  • ベルを傾かせる

タンバリン(ベル)は地表と平行に持った場合と、傾かせた場合とで音の響きが変化する。平行の場合は響きが少なく詰まった音になるのに対し、傾きをつけることで小さな音でも遠くまで響く軽快なサウンドが表現できる。

  • 特殊な奏法

早いパッセージを叩く場合は上記の『基本的な奏法』にも記したようにS.Cym.のスタンドに取り付けることも有効だが、ひとつのタンバリンで様々な音符を扱う場合はタンバリンを取り付けたままという訳にもいかない。解決策として、叩く手で二股を作り*1手首を回転させる奏法があるが慣れるまでが大変で上級者向け。

  • 皮を張る

どの打楽器にも共通して言えるように、タンバリンの皮も伸び縮みする。普段から湿気を避けて保管するべきだが、湿気の多い梅雨の時期などは皮が緩みやすい。解消法としては、ライターや線香の火などを皮に燃え移らない位置から温めてあげることで皮のテンションが蘇る。くれぐれも火を着けて火事を起こす事がないよう注意して欲しい。

  • 皮楽器の性

皮楽器の悲しい宿命として奏者と聞き手のズレがある。奏者自身が曲のリズムを的確に捉えたと自分では思い、インパクトを与えた打音が、必ずしも正確なリズムで聞き手に届いてる訳ではない。皮楽器は奏者に叩かれた後、一旦楽器自身が振動し、その振動が音の発生源*2を振動させ、それから楽器から音が鳴る故にどうしても遅れて聞こえがちである*3。改善させるにはインパクトの瞬間に楽器を叩くのではなく、叩いて飛んでいく音が周りの音と合わさうように予めイメージして叩くことが重要である。しかし、これにはセッションの回数をこなして感覚を掴むしかないので、十分胆に命じておくべし。

  • モンキータンバリン

吹奏楽コンクールのような形式ばった場での登場は少なく、学校の文化祭やコンサートなどの舞台で使用されることが多い。持ち手を軸にし、手首を回転させて反対側の手に打ちつける奏法が最も一般的。この奏法の場合、軸にした手を横に振る(手首を返す)パターンと、手首を回す*4パターンの2種類に分けられる。ロールさせる場合は腕、もしくは手首全体を振動させるようにして音を鳴らし続ける。

  • 類似の楽器

tamburo …"tamburo snare"という小太鼓のこと。バレエ音楽「青銅の騎士」などに登場する楽器。間違ってもタンバリンで演奏しないように注意。

*1:親指と残りの4本で分ける

*2:タンバリンの場合はベルの部分

*3:というか事実、実際に遅れている

*4:ドアノブを回すような感覚に近い