ぼくが地球を救う - 哀川翔

全11話を終えて、今の率直なご感想を…――

あっという間だったね。
でも、現場の雰囲気とかチームワークみたいなものは、最初からすごく良かったような気がするんだよね。だからこそ順調に行けたんじゃないかな…っていう気がするよ。

友作が電話する度に大門が何かしているお約束シーンは、人気でしたが――

俺もあのシーンは、結構楽しみにしてたんだよ。DJが来るとは思わなかったけど(笑)。美大のモデルの時は、さすがに倒れそうになったよ。
でもあのワンシーンで、大門十三の人間っぽさとか、彼が大事にしている“筋を通すべき所は筋を通す”っていう心意気のようなものが出せたんじゃないかな。

大門と哀川さんの共通点――

うーん…そうだな。共感できる所は結構いっぱいあるんだよね。俺も何か頼まれると「いやだよ」ってすぐ言うんだけどさ、やっぱりちょっと気になっちゃったりするんだよ。だから、そういう所はすごく共感できたりもする。人にものを頼むことって大人になると少なくなってきて、あまりいいことじゃないと思われがちだよね。でも、頼める相手がいるっていうことはとっても素敵なことで、頼まれる事もすごく嬉しいことだと思うんだよ。

それが本当に純粋なやりとりであれば、俺はもっともっとあって良いことじゃないかなと思う。そういう人間関係を、歳をとるにつれて失なってくっていうのは、寂しいことだからね。
もちろん全部助けちゃうと、(大門の)セリフの中にもあるけど「自分で何とかしろ!」っていう部分もある。それも大事なことだからね。でもさ、にっちもさっちも行かない所で手助けできる部分があるなら、(人を助けるということも)すごく良いことなんじゃないかなと思うんだよね。

友作との殴り合いのシーンもありましたが――

俺も去年位かなぁ…中学時代の友達と、殴り合い直前までの言い争いしたことあったけど。でも、そういうことが大事なんだよね。そこで「ハッ」と思ったりすることも沢山あるわけだからさ。
そういうやりとりがなくなったら“人と人”ってつまんない。もちろん礼儀というものも大事だけど、そういうやりとりこそ、すごく大切なことだと思うんだよね。

哀川さんにとっての“ヒーロー”って?――

“ヒーロー”という言い方はしてないけど、“大事な友”と呼べる人はいるよ。口には出さないけど、そこにはすごく『尊敬の念』みたいなものがある。
そういう仲間がいて、俺は助かってるっていう部分も沢山あるしね。“電話をパンっとかけて何人来るか”なんていうのが、俺の1つのテーマだったりするんだよ(笑)。「50人…100人集まるかなぁ」とかさ。そこで「何で行かなくちゃいけねぇんだよ!」って思われるか「何かあったのか!?」って飛んで来るかっていうのは、これまでどうやって生きて来てるかってことで出てくるわけだから…。大事なことだよ。だからこの話の中では、お互いに“友”と呼べる人間のことを“ヒーロー”という言い方をしてるんじゃないかな。

舎弟・芝について――

彼が実は一番心の声があるんじゃないかな。言いたいことを外には出さないけど、言い出しちゃったら止まらない…みたいなさ。
あそこが愛されるキャラクターなんだよね。普段はぐっとこらえて、でも心の叫びはたくさんある。
これが「若い連中はこうあるべきだ」という、若者像の代表なのかもしれないね。

心の声を聞くのと聞かれるのは?――

俺は聞かれる方がいいな。あんまり聞きたくないね、人の声は。
会話のやり取りの中で、言いたい事をいかに伝えるかっていうのが、人と人って面白いんだと俺は思う。
直接ガンって伝えるのもいいけど、相手の様子を見ながらまわりまわって…みたいな伝え方もあったりさ。だから俺、メールってあんまり好きじゃないんだよ。メールって、パンと打ってターンっとみんなに送って終わりだろ。すごく一方的だよね。うちの子供にもガンガン言ってるんだよ。「やめろよそんなの、自分の口で言えよ」ってさ。

やっぱり、顔と顔を向かい合わせて話をするってことが、一番物事が伝わるだろうしね。キャパは狭くなるだろうけど、それが“人付き合い”ってことなんじゃないかな。
だから俺は、人の心の声は聞きたくないな。聞かれる分には「いくらでも聞いてくれ」って思うけど…。結構俺は、思ってることを口に出しちゃう方だから。口に出さなくても、顔に出るしね。

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関連リンク:ニコニコ動画(ぼくが地球を救う1話) 削除されたようです。